『開いてきたシャクヤクの花』

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K-5Ⅱs/ FA77㎜F1.8Limited [F2 1/1000 ISO160 ±0EV]

6月7日に家内の母親が他界しまして、葬儀等を終えるまで、写真と短い文章のみで記事をアップしていました。

そのような中でもこのブログを読んで頂いている皆様方に、心より感謝申し上げます。

仕事も休んでいましたが昨日より忙しない日常に戻りまして、溜まった仕事を目の当たりにし、現実逃避したい気持ちでいっぱいです(笑)

「続きをどうぞ」以降は、あとで自分で読み返した時の日記的なものですので、どうぞ読み飛ばして下さいませ。

カメラで写真を撮ること、フィールド散策の他にも、花を育てるのも趣味の一つなのですが、実は結婚するまでは花などに全く興味がなくて、自分で育てる事などはありませんでした。

家内の母親が花好きで、それも綺麗な花壇や庭を作るのではなく、雑草畑と称して自宅の空いた所に無造作に植えて、自然に育つままにその植物の成長や開花を楽しんでいたんです。

その自然に咲く花の様子や花の愛らしさに魅せられて、一緒に朝市や植物イベントに行っては花を買っては育て、今に至っていました。サギソウやトキソウなど大雑把な性格の自分では無理だからと私に託したり、そうやって色んな種類の植物に触れる事が出来たのも家内の母親のおかげでありました。

家内は4人兄弟なのですが、子供が居るのが我が家だけで、孫である三人娘を心底大事にしてくれました。「目に入れても痛くないとは昔の人はよく言ったもんだ。その通りだもの」と言っていた事を思い出します。娘たちも父親よりも母親よりも誰よりも家内の母を大好きで、週末や長期休みのたびに泊まりに行っているのも、それだけ落ち着く場所だったんだと今あらためて感じていました。

3年ほど前位からでしょうか徐々に痩せてきまして、長男付き添いで総合病院に行き、その場で即入院。大腸癌に冒されていました。大腸を摘出後も他にも転移していたので入退院を繰返しながら抗癌剤治療を受けてきましたが、今年に入り脳にも転移し、最後を自宅で過ごしたいというので延命治療をやめて退院。

その頃はちょうど私の長女が高校受験で、ストイックな性格の長女の事が何よりも心配で結果が出るまでは死ねないと頑張っていましたが、無事に合格の報せを聞き、涙して喜んでくれました。長女の高校合格祝いと三女が中学入学でもあったので、一時退院祝いも合わせて皆で手作りのご飯を食べる事が出来たのは良い思い出になります。

その後すぐに頭痛や我慢出来ない痛みが再発し再入院。延命治療はせず痛みを和らげるだけで、最期までを見守る事にしました。最後の入院時「一週間から二週間ほどと思い覚悟して下さい」と言われましたが、そこから3ヶ月を生き、そんな状態でも人に迷惑を掛けたくないと気を使っている人でした。

数々の思い出が浮かんできます。火葬の前、最後にこういう事を伝えておこうなど頭でたくさんの事を考えてはいましたが、感極まり最後ようやく出た言葉はありがとうの一言でした。私が三人娘をこうして育てて今に至るのは、家内のお母さんのお力があってこそ、感謝の言葉だけでは足りないです。

その思いを受け継ぎ、娘達を大事に育てます。

今までありがとう、政江さん。

 

ありがとう

10 thoughts on “ありがとう

  • 久しぶりに書き込ませていただきます。

    結婚というものは、自分の人生に他人を組み込むことだと思います。
    組み込まれた瞬間、自分の家族となります。
    自分の価値観に、全く違う人生を歩んできた人たちの価値観を組み込み、融合していくことになります。
    それが良い方向に向くと、人生が豊かになります。

    私もこの数ヶ月、義兄弟であった親友を失い、義祖母であった方を失いました。
    義という文字が表す通り、元妻の身内です。

    葬儀等であわただしい中、義叔母であった方に
    「本当にありがとう」
    「今は赤の他人だけど、それでもここまでしてくれる人はいないよ。」
    そう言われました。

    一度でも自分の人生に組み込まれた人たち。
    法律上は他人になっても、過去に家族であったことには変わりありません。
    人のつながりは大事にしたいものです。

    悲しみの後には幸せもあります。

    私に、もう一人息子が増えました。
    また家族が増えました。

    見ず知らずの赤の他人が息子になる。
    娘が生まれてからずっと楽しみにしてきましたが、実際に息子が増えるということがこれほどまでに「嬉しくて幸せ」なこととは、経験するまでわかりませんでした。

    これから先、もっと家族が増え、いろんなん価値観を組み込んでいくこととなりますが、自分の人生が豊かになると思うとワクワクします。

    Bluemさん

    今いる家族
    これから増えるであろう家族
    豊かな人生のために大切に思ってください。

    生意気なことを言ってしまいましたが、義母様に対する思いに心打たれ書き綴らせていただきました。

    長文失礼いたしました。

    すかいほ~く

    1. ■すかいほ~くさん、こんにちは。

      ご無沙汰していましたが、すかいほ~くさんも色々とこの間にあったんですね。
      大変なご苦労もあり、そして嬉しい事もあり、色々とあるのが人生でもありますが、人の心の繋がりは大切なものだと読ませて頂きながら改めて感じていました。

      そして息子さんのご誕生、おめでとうございます!
      航空機に野鳥と、父親の遺伝子を色濃く受け継いでいると良いですね。親子で同じ趣味を持つって私の夢でもありますが、我家は娘で、小さい頃はまだ一緒に遊んでいましたが、中学に入るとそういう事には全く興味を示さなくなりました。
      まぁ、それでも元気に過ごしてくれていればそれで良いのですが、ちょっと寂しかったりもします(笑)

      私もコメント拝見しながら、すかいほ~くさんのお人柄の一端に触れられ、そうかと思う視点もあってとても嬉しいです。ありがとうございます。
      コメント中の一部修正をしておきましたです。

      1. bluemさん

        ちょっとわかりにくい表現だった様ですね。
        息子というのは義理の息子です。
        わが娘ながら見る目があるな~という好青年を連れてきました。

        私の遺伝子の件ですが、我が家はあと2人男の子(今年度20歳と18歳)がいますが、昨日も父子3人でガンダムUCを観ながら「ゾゴックかっけぇ~」とか言ってました。
        我が家は3人の子供全てが私の影響を受けているようで、3人ともヲタク的な趣味にどっぷりです。

        bluemさん、女の子でも父親と共有できるものは色々ありますよ。
        音楽だったり、洋服選びだったり、料理だったり。
        blumeさんの世界を広げるという理由付けで、いろんなことにチャレンジしてみてはいかがですか?

        1. ■すかいほ~くさん、追伸ありがとうございます。

          おぉ、そういう事でしたか。
          好青年かぁ、我が娘達もいつかはそんな事になるのでしょうけど、その日までに私が子離れできるかが心配です(笑)
          それに何事も熱中できるとか、好きな道があるのは良いことですよね。広く浅くあれもこれもよりも、好きなものにとことんというのは素敵だと思います。
          我が娘も年を重ねるごとに好みも変わっていますし、三人それぞれが個性もあるし、そういう成長を見ているのも楽しいです。

  • こんばんは
    周りのみなに愛されて御義母様は幸せな人生だったでしょう。
    親の偉大さ、尊さというものは普段は考えることもないんですけど改めて凄いものだと考えさせられました。
    私はまだ両親、義母が元気にしていますので出来るうちに親孝行しておきたいと思います。
    bluemさんも辛いでしょうが、奥様や三人娘さんたちをフォローして上げてください。
    御義母様のご冥福をお祈り申し上げます。

    1. ■Jerryさん、おはようございます。

      家内の父親は28年前に亡くなっていまして、女手一つで4人の子供を育て、それはもう苦労の連続であったと聞いていました。本当に偉大であったと思います。
      私よりも私の娘達のショックが大きく、でもこういうのは時間しか解決する手立てがないので、しばし様子を見ながら過ごそうと思っていました。
      私も悲しい気持ちもありますが、より前向きに意識が向いたと言いますか、そんな契機にもなったような感覚もあります。残された者が仲良く懸命に生きる事が旅立った人への供養だとも聞き、なるほどなと思ったり。強くありたいと思っています。
      お気遣い、ありがとうございます。

  • こんにちは。
    何度も記事を読ませていただいたのに
    どんな言葉を贈っていいのか迷い、コメントが遅くなりました。
    悲しい気持ちも時間が解決、まさにその通りではありますが
    時が経つにつれ、亡くなった身内の偉大さがわかったり、今までの色んな事を思い出したりで
    しばらくは思い出しては涙したのを覚えています。

    >残された者が仲良く懸命に生きる事が旅立った人への供養
    ↑ そうそう、その通りだと思います。
    きっと天国から見守ってくださっていると思います。

    1. ■teltelさん、こんにちは。

      こういう事は楽しい事ではないので、コメントを入れるのも気を使いますよね。
      お世話になった方の他界を機会に自分が次のステップに踏み出す勇気を貰うような、そんな事も過去に一度あったのですが、義母の今回も大いにそんな気持ちにさせてくれたと言いますか、より前向きになったような意志を継いで行こうという気持ちになっています。
      なので悲しい事は事実ですが、落ち込んでいることもなく元気ですし、いっそう仕事にも集中していました。
      集中しないと溜まった仕事が片付かない事もありますけど(笑)

  • ひとまず一段落ついたようで何よりです。

    悲しい出来事ではありますが、人間必ずいつかその日が訪れます。
    bluemさんでさえ、これほど思いを深く持たれていた方です。
    奥様の落胆はいかばかりかと思います。

    しばらくは落ち着かない日々が続くと思いますが、ご家族へのケアも大事にしてあげてください。
    仕事と家庭でON/OFFを上手に切り替えて、ご自身の体調もコントロールしてください。

    遠い異国の地から、直接力になれることはないかもしれませんが、気分転換には微力ながら関われると思いますので、お気軽にw

    1. ■ask-evoさん、おはようございます。

      askさんも同様な事がありましたので、お心遣いがとても嬉しいです。
      ありがとうございます。
      家内は闘病のその苦しさから早く開放してあげたいと言っていたので、その部分ではほっとした所もあるようです。何れにしても、一つの段階を踏むべくより強くなろうという気持ちも見受けられます。
      まだ家内の実家の方がバタバタしているので、少しづつお手伝いしながらやっていこうと思っていました。
      私の方は悲しい事は事実ですが、落ち込んでいる事もなくより前を向いて進もうという意欲が湧いていました。これは義母から授かったものだと思っていますが、来月の試験の勉強をしなくちゃと本を開くたびに、これがいとも簡単に萎えていきますw

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