「百田尚樹著 影法師」という本を読み終え、影として生きた美しき自己犠牲の男の姿に涙し余韻に浸っていたのですが、最後のページが袋綴じになっているのに気付きました。
この袋とじは「小説現代」2010年4月号、連載最終回に掲載された「終章」ですが、単行本刊行時には未収録とされたものです。
とあります。
単行本化した時に最後を書き換えたのが分かり、カッターで切って読みました。単行本は主人公の視点での終章で、袋綴じは主人公の妻の視点での終章。
読んでみて、袋綴じの妻の視点での終章の方が、本文で語られなかった影として生きた男と主人公の妻とのエピソードで、私はこちらの方が良いなと思いました。
それにしても中古でアマゾンで購入したのですが、先に買われた方はこの終章を読んでいない事になるので、どこかで読んでおいて欲しいなと思った次第です。
これまで小説もかなりの冊数を読んでいますが、こういった袋綴じは初めてでした。
影法師